ごきげんよう。皆様いかがお過ごしかしら。
今回は、ファイナルファンタジーXIVの最新パッチ7.1を遊んだ感想を書いていくわよ。
多少のネタバレと酷評を含むから、お読みになる方はご配慮くださいましね。
今回のメインシナリオを読んだ感想は、とにかく不快🤮。
こんな顔文字を使わないと表現できないくらい、FF14のシナリオの中ではダントツに嫌な気分になったわ。
鏡像世界の一つ第9世界の一部が融合した状態の孤立した空間「ヘリテージファウンド」は、原初世界の時間軸とズレた空間なの。一応主人公であるプレイヤー(以下ヒカセン)やその他のキャラが活躍した結果、融合した時に巻き込まれた原初世界の人間たちが、浦島太郎状態だけど戻れることになったのよ。
そこから帰還した人は、融合時に子供だったのが今は親より年上になって帰ってきたりして、事故で隔たれた時間を取り戻そうと対話しながら努力している姿が印象的だったわ。
暴れん坊だった双頭のバクージャジャもすっかり性格が丸くなってさ。前シナリオでウクラマトがヒカセンにおごったタコスをダメにした件を持ってきて、お詫びにごちそうしてくれたわよ。
住民達が行き来できるよう、ヘリテージファウンドとウクラマト達が住むトライヨラをつなぐ鉄道を正式に復活させようって流れになるんだけど、このシナリオがFF16の再来かってくらい、まずい出来だったわ。
一言で言えば「頭悪いシナリオ」なのよ。
都市同士の間には荒野が広がっていて、そこには魔物だけじゃなく野生動物もたくさん棲んでいるの。
鉄道は動物達をおびやかす上、その動物を糧に生きている原住民の生活にも影響を及ぼす恐れがあるから、ヒカセンとウクラマトは解決策を見つけるべく調査に乗り出すのよ。
ここでさ、アタシ「うーん」って真顔になったわよ。環境に優しい鉄道ってさ、ある意味、鉄道のロマンを損なっているのよね。
この荒野は開拓時代のアメリカ大陸がモデルになっているの。つまり蒸気機関車が走っていた産業革命の時代でもあるのよ、見た目が西部劇だしさ。(この辺、時代考証ガバなんだけどね。正確には、産業革命が先でアメリカ西部開拓が後の年代よ)
産業革命時代は科学が発展して西洋人が各大陸に進出してバリバリ自然を破壊した上原住民を奴隷化、駆逐していった、優しいとは言い難い時代なのよね。貧富の差も拡大したしね。
そんな暗黒時代とも言える文明だけど、工業が発達して向上心あふれる雰囲気はかっこいいって感じてしまうのよね。だからスチームパンクとか、今の時代でも好きな人は多いでしょ。
つまり何が言いたいかって言うと、ヒカセンやウクラマト達が造ろうとしている鉄道はリアリティがないってこと。鉄道は自然破壊の象徴みたいなものだからね。
しかもそこに、ウクラマトの義理の兄コーナがしゃしゃり出てくるのよ。トライヨラは二人の王がいて、そのうちの軍事担当が武王ウクラマト、内政担当が理王コーナなんだけど、ウクラマトがヒカセンの相棒としてくっついてくるのは、今さらだからしょうがないとして、なんでコーナまで来るのかってことよ。しかも一国の王様なのに1人で来るのよ。まず、王が首都を離れることが異常事態だし、視察でもたくさん護衛連れてくるのが当たり前でしょうが。
これが、リアリティのなさその2ね。なんて安い王様だろうって思ったわ。前回のシナリオでも、内政担当の優秀な人材(大臣とか)が表に出ていなくてさ。国の決定権が全て王様だけにあるのよ。国って普通、いろんな役職があって成り立つものじゃないの?
そしてヒカセンやコーナ達は、荒野に放牧しているロネークっていう草食獣を糧に生活している原住民に聞き込みを行うんだけど、彼らの生活ぶりを聞いて回る姿を見て、今まで生活実態を知らなかったんだって肩を落としたわよ。リアリティのなさその3ね。
余計な感想だけど、このロネークがかわいくないのよ。草食獣だけど目が正面にあって、バッファローの体にお面みたいな顔がついてて怖いのよ。
原住民はロネークを柵で囲うことなく、群れを放置して都合のいい時だけ屠殺して糧にしているのよ。半野生のはずのロネークはなぜか原住民に懐いていて、見た感じ、放し飼いの犬か猫みたいに見えたわ。
効率的な生産ではなく、生態系を維持しつつ、必要な分だけ自然の恵みをいただくっていう生活スタイルでしょうけど、何だろう、理想主義がすごくて、人間都合で嫌な感じがしたの。柵で囲って管理していた方が、まだ人間らしいっていうか。
調査中に、ロネークの群れの動きがおかしいって話が出て、強力な魔物が出現して、生態系を壊しつつあるのが原因だったのよね。モンハンかよって苦笑したわよ。
それでさ、ヒカセン、ウクラマト、コーナが、原因の魔物のせいで怯えて凶暴化した他の魔物に襲われているロネークの群れを助けに走るのね。
アタシ、それ見て思ったわよ。
ロネークは逃げろや。😣
何で、ロネークはその場に固まって動けないのかしら。ペットとして暮らしてる犬や猫だって、危険を感じたら必死で逃亡するわよ。
しかもよ、問題の魔物が出現した時、群れからはぐれた1匹のロネークが立ち往生してんのよ。人間ならまだしも、動物が魔物を見て立ちすくむなんて、なーに考えて書いたのかしら、この(以下自己規制)。
そして、お優しいコーナ様はこのアホなロネークを魔物からかばって眼鏡を割るの。ナウシカみたいに両腕広げて吹っ飛んで、眼鏡は顔におさまったまま。
ああああー。画面を見ながらアタシは声にならない声をあげたわ。
さらによ、この魔物と戦う前に長い会話が挟まってんの。魔物は、それが終わるまでずっと待ってるのよ。昔の戦隊モノかよ。もう笑うしかなかったわ。なんてアホなモンハンなの。
この後の戦闘シーンも、コーナ様の機工技のおかげで勝てました、すごいですわねって感じでさ、技術的に全然すごくもなかったけど、ウクラマトが「兄さんはすげえや」って言うから、まあ、すごいんでしょ。
無事にロネークの群れを守り切った後、コーナの幼少期のトラウマが発掘されてさ。彼、小さい時に両親に置いて行かれて、ペルペル族の商人に引き取られて暮らしていた時期があったのよ。実の両親が息子を置き去りにした理由がさ、さっき倒した魔物からコーナを守るためだったんだって。
アハハハ。乾いた笑いが出たわ。ウクラマトも似たような理由で、前王グルージャジャに実父から引き取られていたけど、どうしてこうも、実の親は実子を愛して当然なんだってくだりにしたがるのかしらね。
それでいて、グルージャジャの息子ゾラージャは実親の愛を知らなくて歪んだわけでしょ。
その話は後にして、都市をつなぐ鉄道問題のことだけどさ。結局ロネークの群れと原住民の生活はそのままにして、汽車にロネークを追い払う音波発生装置を取り付けて解決したのよね。何なの、そのドラえもんみたいな発想は。
線路の砂利と枕木も、環境に優しい(笑)音が出にくい素材にしたんですって。何じゃーそりゃ。群れや個体を列車に近づけさせない方法が、双方にとって安全策だとアタシは思うんだけど。列車の接近音が聞こえないと、危険を知らないロネークや他の動物がのこのこ線路に近づくでしょうが。
日本でも山が近い地域だと、時々野生の鹿やタヌキが道路に飛び出して車と接触事故を起こしている事例を知らないようね。保険が降りないから、事故った車の持ち主は泣くしかないのよ。
だけどこのシナリオでは、ロネークが線路を横断するたびに一時停止してロネークに優しい音波を出して追い払って、運転手も満面の笑顔なの。頭お花畑もいいところよ。リアリティのなさその4よ。
鉄道は時間厳守がモットーでしょ。その上で、人間の手ではどうしようもない自然の脅威が発生したら、そこにドラマが生まれるものじゃない?
例えば竜巻発生とか、ロネークの大群が横断して運行が妨げられたとかで、駅員や鉄道員が必死に解決に向けて動くところがさ。
何でもかんでも人間側が管理して、自然を飼い慣らした気持ちになって環境に優しいだ?傲慢にも程がある、ふざけんじゃないわよって呆れたわ。
ドラえもんの道具も未来の管理社会から生まれたものだけど、なんでも都合がいいドラえもんの世界観だから面白いのであって、仮にも残酷話が出るFF14の世界観には合わないなと思ったわ。
メインシナリオのパート2部分、ゾラージャの息子グルージャの母親探しの話は、冒頭のゲロ吐き顔文字で感想が終わったわね。
双頭の王で国を一代でまとめた英雄王グルージャジャの一人息子ゾラージャの掘り下げパートらしいんだけど、そんな気配はほとんどなかったわ。
ゾラージャの落とし胤グルージャの母親がどんな人だったのか、グルージャも知りたがったからヒカセン達が過去のデータを拾ってきて解析するんだけどさ。まあひどかった。
母親の女性は生物学者だったんだけど、最高の強さを求めて修業するゾラージャに惚れていたの。でもそれは、恋愛ではなく一方的な欲情で、彼との子供を作って既成事実を見せれば結ばれると信じて、ゾラージャに取引を持ちかけるのよ。ゾラージャは、自分が父親より強くなることしか関心がなかったから、彼女に「(目的のためなら)欲しいものならなんでもくれてやる」つって、自分の貞操を差し出したのね。
そして生まれた子供(グルージャ)を見て、自分と同じ青い鱗だって驚愕するゾラージャに「あなたの子ですもの」って嬉しそうに突きつける母親の女性。でもゾラージャは自分の子にどう接していいかわからなくて逃げちゃった。
ああああー。ここは実際に声が出て顔を覆ったわ。
好きでもない女と寝たゾラージャ、女の欲望丸出しの女性。息子のグルージャは素直で物分かりがいい子でさ。なんてものを子供に見せてんのよって。グルージャがかわいそうになったわ。登場キャラは全員無言で、無表情。そりゃそうよね。
ひでぇ、ひでぇわよ、お願い、誰かグルージャを抱きしめてあげて。そう思ってたら、ウクラマトが黙ってグルージャを抱きしめてくれたわ。ここだけは、シナリオグッジョブよ。
両親は寂しい人だったんだねって1人で納得するグルージャがいい子なのはいいけど、ほんっとこの話、世間に出す前に直せなかったのかしら。チェック役はもっと厳しい意見を出して、シナリオ班みんなで磨けなかったのかしら。
こういう描写を出すことで、冷徹なゾラージャの人間臭さを出そうとしたんだとは察せられるわよ。あと、その母親となったキャラを通して、女特有の生々しい性への欲望とか願望を描きたかったんだなってことも。
でもよ、いらないのよ、ファイナルファンタジーって世界にそんな生臭い愛憎劇は。
人間の生臭さや嫌な部分を描くのって簡単なの。でも、それでリアリティある深みとキャラ付けができるかって言ったらNOだし、大半の人は受け付けられないのよ。あえて例を出すなら、ジブリ映画の「ゲド戦記」とか細田守監督作品一連とかね。
これらの作品って、子供も安心して見られるような絵柄でいながら、目を背けたくなるような醜くて痛々しい感情表現を突きつけてきたでしょ。だから評判も悪いわ。それと同じ現象を起こしているのよ、今回のシナリオも。
醜くて凄惨な愛憎劇は、映像化すると小説以上に見た人にトラウマを植え付けるわ。性描写が絡むと、特にそう。アタシ昭和生まれだから規制が緩かったテレビ時代に見たドラマや映画のせいで、性的なことに嫌悪感ができちゃったわよ。それくらい、繊細な問題なの。性や愛憎って。
ゾラージャって初登場時は心に闇を抱えたイケメンだったけど、シナリオの後半で父親に強烈なコンプレックスを抱いたある意味普通の男になっちゃっててさ。
親に愛されたことがないから、自分の子供への愛し方もわからなかったってオチにしていたけど、ヒカセンに倒された後はグルージャに王権を移譲してるのよね。愛し方を知らない代わりに、彼なりに息子が困らないように配慮したって見ていたわ。それなりにカッコ良さは出ていたと思うけど、グルージャが生まれた時に怯えてうろたえていたところは、後付け設定でもあんまりだと思ったわ。
好きでもない女に子種をやったっていうのも、強さの代償として絶対に譲ったらいけないものだったわ。プレイヤーの多くは「親父を超えたいという信念を持つがゆえに、どんな犠牲をもいとわないキャラなんだろう」というイメージが少しはあったと思うのね。
そういうキャラは孤高だから人気が出るの。紅蓮編から登場したゼノスがそうだったでしょ。ゾラージャは常に自分の内面しか見ていないから、かなりスケールの小さい男になっちゃったわね。
ネットで反応を見たけど、このシナリオに不愉快さを感じたのがアタシだけでなくてよかったわ。ゲームにはそれぞれの世界観、求められている雰囲気ってのがあるんだからさ、見る人のこともちっとは考えてよって思ったわよ。この評判を見て猛省してほしいわよね。
そうそう、ヒカセン達が倒したスフェーンの国葬のことを書くのを忘れていたわ。
茶番、以上!
それでは、また次の記事でお会いしましょう。