ごきげんよう!

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アーマード・コアⅥ感想その2よ

ごきげんよう。皆様いかがお過ごしかしら。

最近購入したアーマードコアⅥの、3つめのエンディングを見たわよ。

今回は総評ついでに感想を書いていくわ。

たくさん批判とネタバレがあるから、未プレイの方や本作の大ファンの方はご注意くださいましね。

本作のCエンド「賽は投げられた」は、3周めじゃないとたどり着けないルートで、巷ではこれが真のエンディングだと言われているけれど、安易に「真」って言わないでほしいわね。マルチエンディングの一つでしかないじゃないの。

プレイヤーの分身たる主人公がしゃべらない上、選択肢もプレイヤーに委ねられているのだから、正解はプレイヤーの数だけあっていいと思うの。

姿が出ない主人公の強化人間C4-621の容姿や性格は、プレイヤーの想像に任せられているでしょ。アタシの中では、無表情で短い白髪の色白の美青年(21)だけど、美少女や渋い男性を想像する人もいるでしょうし。

性格づけも同じね。アタシは、621は感情が希薄って設定でプレイしているけど、無口なだけで情動はあるって考える人もいると思うの。

アタシの勝手な想像だけど、情動豊かな621なら、この「賽は投げられた」(以下、Cルート)は選ばないと思ったわね。

アタシなりにCルートの621とエアちゃんの物語を考えると、こうなったわ。ここからはアタシの妄想垂れ流しだから、覚悟してお読みになってね。投稿時点では、考察ブログや掲示板まとめ動画は一切見ないで書いてるわよ。内容が誰かと被ってたら、発売後1年経ったゲームなので、同じ考えの人がいるって思ってくれたらうれしいわ。

 

621は強化手術によって死への恐怖や他者への共感性、罪悪感を失くしていて、身体機能も脳内デバイスのCPUが管理している、生きた人形のような存在だった。

だから戦場では死を恐れず、みんなが恐れるAC乗りの傭兵になれた。

彼は手術を受ける前から大切なものを全て無くしていて、人間、人類そのものに絶望していたの。はぐれコーラル変異波形のエアちゃんが交信してきた時、無感情だった彼の脳にほんの少しだけ情が芽生えた。

なので、アタシがゲーム中でドン引きした、仕事中のエアちゃんの馴れ合いとかは、うちの621は好もしく思っていたのよ。

恋愛というほど強い感情は手術のせいで湧かないけれど、戦闘している時だけは微かな高揚感があった。心理の根底には人類への絶望や無期待があるから、誰を何人殺しても胸を痛めない。

そんな日々の中で接触してきた傭兵支援システムのオールマインドさん。この人、AIかと思ったらエアちゃんと同じコーラル変異波形だったのよね。しかもかなり力があるみたい。

彼女、自称オールマインドシステムのAIらしいけど、正体はルビコン解放戦線リーダーのドルマヤンに接触してきた「セリア」っていうコーラル変異波形だと思うわ。エアちゃんもなぜか人間が作ったITシステムをハッキングしたり操作できたりするから、50年以上前から存在していたセリアがAIを乗っ取って成りすましていた可能性が高いのよね。

イグアスが621と戦闘中に耳鳴りがして苦しむけれど、あれはセリアが交信してきたからだと思うわ。最初の交信者ドルマヤンやオキーフはセリアを突っぱねたから、新しいパートナーを求めていたのよね、きっと。

名前が出た変異波形ってエアちゃんとセリアしかいないのよねえ。セリアは、自分に都合がいいパートナーを求めて、ドルマヤン、オキーフ、イグアスって乗り換えてる(イグアス以外は、邪魔になったら621に依頼して抹殺させた)なんともアレな感じのお方よ。

独立傭兵ケイトの名を騙って、自らACに宿って621と一緒に戦ったこともあったわ。

コーラルを危険視するウォルターとカーラは所属不明のケイトが怪しいと気づいて調査するんだけど、621とエアちゃんは技研都市でオールマインドの誘いに乗って離脱してしまうの。失踪したかと思われたけど、ウォルターとカーラはACを駆ってオールマインドのACと戦いながら、寝返った621を脅威として排除しようとしていたのよね。

もう完全に、621達が悪役よね。ルビコン解放戦線の帥父ドルマヤンが警告していたわね。コーラルよルビコンと共にあれっていうのは解放戦線の祈りや檄文になってるけど、ドルマヤンはコーラルはルビコンの中でじっとしてろ、宇宙に出すなっていう意味で言ってたのよ。

他にも、ベスパー部隊第二隊長のオキーフが警告していたわね。エンディングに向かうまで、何度もコーラルリリースはヤバいって言われているのに、プレイヤーには何の葛藤も抱かせず、勝手に進む道程でエアちゃんは「もう引き返せない」みたいに切実に言うし、621おめえ何考えてんのヨォ?!ってあきれちゃったわ。

でもアタシが後付けで考えた、人類に絶望して他者への共感も恩もない621なら、破滅だとわかっていてオールマインドさんの計画に乗ったと思うのよ。

621は人の欲望によって戦争の道具に作り変えられ、親がつけてくれた名前もなくして売買されていた。脳の手術によってそのことへの悲しみは生じないけど、睡眠と覚醒さえも外部命令を聞いたCPUに管理されている状態に対しては、わずかながらに「人間の生きる意味」について考える余地はあったと思うのね。

621が生きる意味、価値を見出せるのは戦闘で勝利することだけだった。ラスティが621が引き金を引く理由を問いかけるけど、獣が生きるために狩りをするように、621にとっては殺しが当たり前のことだったのよ。

戦場以外では思い通りにならない身体で、621は形を持たない生命のエアちゃんと出会って、人間の身体の意味と、生命や個の存在の意味を彼なりに考えたに違いないわ。

コーラルは人間の脳波と同調して一つになって、それが集まると変異波形に成長する。ラスボス戦でイグアスが言っていたけど、621が殺したたくさんの兵士達の精神がコーラルに溶けて漂っているらしいわ。それが凝り固まって、たくさんの変異波形が生まれるんでしょう。

エアちゃんがオールマインドさんに悪い意見を言わなかったのは、人とコーラルが同化することが共存、共生だと彼女自身信じているからね。それが人とコーラルの可能性って言ってるし。

621も希薄な感情の中で、不自由な身体を捨ててコーラルに溶け込みたいと考えていたのかもしれないわ。アタシの妄想物語の中では、そうなってるわね。

オールマインドさんが2人を守ってくれるからついていったのに、オールマインドさんは2人をコーラルに取り込んでコーラルリリースの起爆剤にしようとしたの。だまされてたのよね、2人とも。(ちょっとは疑わなかったのかしら?)

体内にコーラルを取り込み、コーラルの声を聞ける強化人間の精神と、自立意識を持った変異波形の一つが超大量の集積コーラルに入ると、2人は消滅してブラックホールが起きて何やかんやあり、宇宙全体にコーラルが散逸して降り注ぐって寸法よ。

ブラックホールなんて起きたら銀河系にも影響が出るけど、どうやらエネルギー生命体であるコーラルは、炎で焼かれる以外はしなないみたいね。

621とエアちゃんはトリガーとして取り込まれるのを防ぐためにオールマインドと、同化したイグアスの乗るACを倒すのよ。

ちなみにオールマインドことセリア自身がトリガーにならなかったのは、人間のパートナーである交信者イグアスを仮にも失いたくなかったことと、リリースした時に自分が消えないためだと考えているわ。

途中でエアちゃんがアイビスシリーズに搭乗して援護してくれるんだけど、白を基調にしたピンクのアクセントが入っている機体で、いかにもヒロインって感じ。もうちょっと強かったらよかったのに、あまり役に立たないで退場するのはひどかったわね。

アーマードコアって主人公の男性パイロットをサポートする女性オペレーターがいるのが定番らしいわね? 戦う男とサポートする女、この構図ってポリコレ全盛期の現代じゃちょっと古いと思うんだけど、どうかしら。

ボス戦は苦戦したわ〜。よく推奨されているアセンの、一番苦手な重ショットガン2丁とスタンニードルランチャー2門担いでギリギリでクリアしたわよ。人間やればできるけど、もう二度とやりたくないわね!

ところで、なんで最後のボスがイグアスなのかしらね。登場回数は多めで、いかにも621のライバルみたいな顔して出てくるけど、キャラも存在も対抗馬としては薄いのよ。いっそラスティだったら格好ついたんじゃない?

オールマインドさんに同化した経緯も不明だし、なんだかなあって感じが拭えないわ。

しかも、倒した後エアちゃんが当然の権利のようにコーラルリリースを起こしちゃうのよね〜。何なのほんとに。621、あんたはそれで本当に良かったの?

散逸したコーラルは、水のある惑星(たぶん地球)に降り注いで、乗り手のいないACに同化して起動したわ。621とエアちゃんの意識が強く働きかけているから、全てのコーラルが2人として動いている。漫画版「風の谷のナウシカ」で、王蟲が、王蟲は「個にして全、全にして個」って集合意識について教えてくれるけど、そういう感じよね、きっと。

あ〜、なんて救いのない終わり方なんでしょう。青空はきれいだったけど。ほんと最悪。621を止めようとしていたウォルターやカーラの方がよっぽど格好良かったわよ!

常識的に考えたら絶対応援できない2人よね。Aエンド「レイヴンの火」より悪い結果になってると考えるのが普通じゃないかしら。

エアちゃんも621とアリーナで戦闘して「戦闘サイコー!」って変態になっちゃったからね。闘争こそが人間を、生物を成長させるっていうのは、人類の、地球の生命体の宿業みたいなもんよ。それは否定しないわ。

でもさ、あの明るい青空の下で永遠の存在となったエアちゃんが「戦闘モード起動」ってACを起動させてさ、何と戦うの? ドラゴンボールフリーザ様みたいに全宇宙の星を支配したり滅ぼしたりしたいのかしら。

621の生きる欲求が戦闘しかなかったから、間違ったサイヤ人みたいに自分が強くなるためだけに戦いたいのかしら。でもいずれは、新しい生命が生まれるよりコーラルしか無くなる世界線ができるでしょうね。コーラルの方が増殖早いからね。

やがて宇宙には、殺されてコーラルに溶け込んだ生命体の波長を取り込んだ変異波形同士になるんじゃない?

そうなったら、コーラル同士で戦って殺し合うことになるってならない? エアちゃんはずっとパートナーとして621と一緒に戦うようなことを言ったけど、いずれはお互いの潰し合いになるんじゃないかしら。そうなったら621の勝ちに決まってるわよね。

戦いを求め、孤独になりたくなくてエアちゃんやオールマインドさんと結託したけど、遠い未来ではやっぱりひとりぼっちになっちゃったわね、アタシの621は。

 

という感じで多分に妄想垂れ流したけど、こうでも考えないとやってらんないわよ、この3周目のストーリーは。

アタシが本作を買おうと思った一番の理由は、戦うことしかできない621みたいな強化人間達の悲哀を見たかったし、体験したかったからなの。

戦うことって殺し合うことでしょ。その重い業を背負ってどう生き抜くか。ストーリートレーラーを見た時、その答えがあると思ったわ。ウォルターの命令で全員特攻して死んでいったハウンズ達はとても美しくて、悲しかったから。

それがアーマードコアっていうゲームのテーマだと信じたのよね。

でもそう感じて感動したのがAエンドだけで、後はなんか間違った方向性のエヴァンゲリオンっていうかエウレカセブンみたいでさ。特にCエンドはエヴァエウレカ混ぜて自分なりに料理したって感じだった。アタシ、エウレカセブン嫌いなのよね。異星人と人間の恋愛っていうシチュエーションが生理的にダメみたい。

Bエンドの「解放者」はコーラルリリースしなかったけど、コーラルはルビコンにとどまっているでしょう。

オールマインドさんが言うように、死んだ人間の意識が同化して変異波形を生むなら、いずれはコーラルがルビコン星に住む人類の移住者を乗っ取って621とエアちゃんみたいに同化して生きていくんでしょうね。でもそれ平和的解決にはなっていないわよね。

コーラルを狙う新たな企業が侵略してくるかもしれない。でも最強の傭兵レイヴンこと621とベストパートナーのエアちゃんが守るから大丈夫ですう〜みたいな終わり方がすごく嫌だったわ。大丈夫なわけないじゃないの。世の中そんな甘くないのよ。

コーラルって原子力に近いイメージで、有害>有益な生物なのよね。解放戦線の人たちは、それに依存して生きようとしか考えていない。兵器に転用できるほどのエネルギー生命体を、ただミールワームの餌にして消費していけるかしら? ドーザーみたいに、ヤバい薬として食べる人もいなくならないでしょう?

自立意識を持って人類に接触する変異波形は、簡単にIT機器に干渉できる上、個人の脳にも負担をかけつつ語りかけてくるのよ。声で美少女を想像する人が多いけど、彼女、視覚的には赤い光だから。

変異波形が時を選ばず四六時中接触してくるって、プライバシーもないし、すごいストレスじゃないかしら。ずっと監視されているなんて、イケメンボイスでもお断りよ。ネットで粘着する人みたいだわ。

621が肉体的に死んでも、その強烈な戦闘本能を持った精神が他のコーラルと同化して永遠になるなら、そりゃもう「賽は投げられた」エンドと変わりないわけよ。

結局、戦いは永遠に続く。唯一終止符を打ったのがAエンド「レイヴンの火」ね。移住民もいなくなって廃星にされたルビコンにコーラルだけが残っても、コーラルは勝手に宇宙進出はできないわ。永遠に高度な知能を持たないまま星の地下や空を漂うしかできないのよ。やっぱ、物語的に一番解決しているのはこれよね。きれいにまとまってると思うわ。

それにしてもさ、解放戦線のスパイだったらしいV.Ⅳラスティはなぜ、あんなにルビコン星を守ろうとしていたのかしら。というか、本当に彼はルビコンのために戦っていたのかしら?

V.Ⅲオキーフも諜報員だったことが3周めで明かされるけど、彼は621と戦った時オールマインドには手を出すな、コーラルリリースに夢を見るな、てなことを言うのよね。元はオールマインド派だったのが、オールマインドの思想に触れて裏切ってベスパー部隊のある企業アーキバスについたって語られていたわ。

オールマインドさんはエアちゃんと同じコーラル波形。オキーフはオールマインドさんと話した時にちょっと夢見ちゃったのかもね。姿が見えない高度(人はそれを神とか天使とか言うのかしら)な存在と接触して喜んだと思ったら、その存在が人類乗っ取り計画を企んでいたんだから、真っ当なら離れようとするわよね。

オールマインドさんはそんなこともあって、オキーフを621に始末させるんだけど。ひどい話よね〜。まじで何考えてんの、621もエアちゃんも。いえ、皮肉にも2人に配慮も考える力もなかったからこその結末なのよね。この事実は重いわ。良心がなさすぎるっての。

ラスティって正義漢だけど、単なる義憤でルビコンを守ろうと戦っていたようには思えないのよね。そこまでして守りたい何かがあったとも語られていないし。「レイヴンの火」ルートでは、企業に搾取されるルビコンの人々に自由を与えたいって意味のことを言っていたけれど、1周目は、ルビコン解放戦線に恋人がいるんだと思ってたわよ。

こっからはアタシの妄想だけど、彼ってオキーフとできてたんじゃないかしら。621に負けたオキーフが斃れる時「ラスティ、先に逝くぞ」って言うのよ。死に際に呟く名前って、本人にとって重要な人でしょう。

ラスティも実はオールマインドさんがコーラル波形だって知っていて、オキーフと手を組んで、コーラルの人類乗っ取り計画阻止のために暗躍していたのかもね。ルビコン移住者達に同情してなんとかしたいとも思っていたラスティも、コーラルが人類には危険なものだって察していた可能性があるわ。

オキーフも人間がコーラルと離れる生活を目指す考えが同じで、苦労を共にする間に仲が深まっていったのかも。

恋人か、命と同じくらい大事な親友がいるなら、厳しい環境のルビコンで生きることもそんなに苦じゃないわよね。オキーフも生きることを楽しんでいるようだったし。

Cルートだと、ラスティは狂気の道を進む621に戦う意味を問いかけた後失踪しているわ。尻尾巻いて逃げたとは思えないから、ウォルター達と手を組んで戦った後オールマインド勢に敗北して、死亡したか、やむなく地球に帰ったのかもしれないって考えてる。守るべき存在がいないなら、戦う理由もないものね。

ラスティと621のカップルを夢想している方には目の毒な内容でごめんなさいね。あくまでアタシの想像だから、妄言だと思って忘れてちょうだい。

余談だけど、作中で技研開発されたAC用パーツや武器って、丸い装飾がたくさんあってキモいわよね。あれ、たくさんの目に見えて仕方なかったんだけど、ブラッドボーンに登場した上位者のオマージュかしら。

アタシがプレイしたフロムゲーって、人が神に近づく内容が多かった気がするわ。壮絶な殺戮の果てに壁となる父性も殺し、人ではなくなっていく主人公の物語は、これからも形を変えて受け継がれていくのかしらね。

あと、621の名前の由来って諸説あるけど、6+2+1=9で、9はアーマード・コアシリーズでは最強を意味する数字なんですってね。でも第4世代は不安定って言われてるから、最強になるかそうじゃないかは、プレイヤーの練度と技量次第ってことね。

最初から最強の傭兵扱いじゃなく、そうなる可能性を秘めているんだってプレイヤーに委ねるロールプレイが好きだったわ。

アタシとしては、ウォルターという素敵なキャラに出会えたこと、ACを駆る貴重なゲーム体験ができたこと、レイヴンの火エンドが自分好みだったことを評価したいわね。

実績解除のために仕方なく周回したけど、何度もリプレイしているうちに苦手なキャラも許せるようになってきたわ。エアちゃんなんて、とてもかわいそう。人類とルビコニアンが出会ったことが、そもそも間違いだったんだなって思ったわ。

だからアタシはルビコンに燃え残った全てに火を付けます。何度でもね。

 

長々と妄想垂れ流してごめんなさいね。

ここまで読んでくださった方、ありがとうなのよ。

また次の記事でお会いしましょう。

ごきげんよう